イベント報告

9月30日(月)創立138周年記念礼拝が行われました

2025.10.21

9月30日(月)創立138周年記念礼拝が行われました

9月30日(月)普連土学園終始業式・創立138周年記念礼拝に神田史緒さん

(95回生)が講師としてお話しをされました。

 

「共に生きる:寛容の心と共感する力が作る未来」 95回生 神田史緒(かんだふみを)

多くの移民を受け入れ、多様性を強みとしてきた欧米諸国がもがいている。ヨーロッパでは極右政党
が台頭し、イギリスでは移民受け入れに反対する大規模デモが続く。2021年春からの4年間を過ごした
アメリカでは、「不法」移民や外国人排斥をめぐる深い分断と対立を、日々の暮らしの中で体感した
。「移民の国」として知られてきたこの国に何が起きているのか。なぜこれほどまでに排斥に舵をきっ
たのか。背景の一つには白人人口の減少による危機感があるとされる。ヒスパニックやアジア系人口が
増加する2050年、白人人口は50%を切るという。その他、経済格差、SNSで発信される偽情報
の影響、生活苦にあえぐ人の中には、移民・難民が恩恵を受けることへの怒りもあるという。
これまでにアメリカが受け入れた移民の数は7000万人以上。明治・大正時代には多くの日本人も
移民した。 80年前の真珠湾攻撃後、敵国となった「日本の血」を理由に、日本人と日系人12万人
が「敵性外国人」として排斥されて強制収容された。「歴史を繰り返してはならない」という思いを新
たにする。
そもそも私がドキュメンタリー制作を志したのは、「肌の色や言葉や文化が違っても、人間はみな同
じ生き物。分かり合えるはずだ」という幼い好奇心からだった。これまで撮影に出かけた国や地域は30
以上。旅するだけでは飽き足らず、ニューヨーク、ロンドン、上海と20年に渡って海外で暮らした。
そこで経験したのは、しかし、多文化共生の難しさだった。一方で、異なる文化や価値観が交錯する中
、対立や衝突を繰り返しながら共生を模索する人々の逞しさとしなやかさに圧倒されたことも少なくな
い。
そんな彼らから「多文化共生への鍵」として学んだのは、「外国人」として暮らす国への敬意と配慮
の意識、そして、共に相手の違いを認めて尊重する「寛容の心」、違いを超えた先に共通の価値を見い
だす「共感の力」だ。日本もすでに外国人住民が300万人を超え、2050年には人口の1割に達する見通
しだ。外国にルーツを持ちながら日本を「祖国」とする若い世代も増えている。欧米諸国の実情を「反
面教師」にとは言わないが、「移民問題」を感情論ではなく冷静に捉え、日本の風土に適した、目指す
べき多文化共生社会の形を模索することが求められる。未来を形づくるのは国や制度だけではなく、私
たち一人ひとりだ。「寛容の心」と「共感の力」という小さな種を心に育てていくことが、これからの
時代を照らす松明になるのではないか。

 

関連記事こちらの記事も合わせてどうぞ。

TOPへ戻る